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抑制因子と活性化因子、さらに両者の間に成り立つ拡散係数の大小という関係で様々な空間パターンが生じることが分かってきた。拡散は、系の中にある粒子が熱運動によって四方八方に散逸する現象であり、拡散定数をDとして次のように定式化される。

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ここでX、Yは、それぞれ活性化因子と抑制因子の濃度を表わし、拡散定数の間にDX<DYという関係があるとする。また、F(X,Y)、G(X,Y)は、XとYによって引き起こされる化学反応によってそれぞれXとYを生み出すことを示している。近年、この散逸構造モデルから出発して、図4−32に示すような自己増殖パターンを実験的に実現できることが示された。遺伝子がなくても自己複製できることが実証されたのである。

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図4−32 反応−拡散ダイナミクスと自己複製パターンの発生(Leeら,1994)

 

 

 

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